<<摘果の重要性>>
 
  ◆果実品質の向上
  果実の素質は花の段階までにかなり決まっている。したがって、果実の品質の向上には前年の栽培管理により、良質な花芽を多数確保することが重要である。
受精後の果実肥大は、果実内の細胞数とその大きさによって決定される。果実の細胞分裂は開花後4週間頃までとされている。早くから果実数を制限することにより、貯蔵養分を節約し残された細胞数を増加させることができる。
また着果量の制限をすることにより、残された果実への養分の分配が多くなり、果実肥大だけでなく、着色や糖度も向上する。
   
  ◆隔年結果防止
  「ふじ」や「さんさ」などの隔年結果性の強い品種は、隔年結果防止が安定生産のために重要となる。隔年結果防止における摘果の役割はきわけて大きい。
  色々と難しいこともありますが,ご家庭でりんごを植えられる場合,少しでも交配の条件を満たすため,下記に各品種間の親和性を表にまとめますので参考にして下さい。
   
  樹勢・樹刑維持
  着果量が多いと果実品質に影響を及ぼすだけでなく、樹体の貯蔵養分をも低下させてしまう。とくに花芽着生しやすい品種や樹体でその影響は大きい。
また、着果過多により枝が垂れ下がり樹刑が乱れてしまうことがある。逆に、ある程度着果させることにより枝の誘引効果をねらいことも可能である。
   
  ◆あら摘果のやりかた
  とにかく早く一輪摘果を行うことが重要である。中心果を残すことが基本であるが、「ふじ」では生育が良好な側果を残しても良い。側果を残した場合「つがる」などではつるさび果が発生しやすいので注意する。
あら摘果は満開後30日頃までに終了させたい。このため、作業を効率よく進めるために以下の点を考える。
   
  ◆どの品種からはじめるか
  早期摘果の効果がより明確に出る品種から始めたい。
「秋映」は早期の摘果(摘花)処理によりさび果の発生を軽減することができるので、できれば最初に行いたい品種である。また、開花期がばらつきやすのいで、開花の遅い花そうは花そうごとつみ取る。
   
  摘果の時期
  手で簡単に摘める花の時期や、一度にたくさん摘み取ることができる幼果の時期は作業効率が上がる。凍霜害対策のできている園地や危険の少ない園地では一輪摘果を行う。
不要な果そうは果そう摘果
着果させbない上向きや下向きの果そうは、骨格枝の先端部分、徒長枝の先端部、生育の遅い果そうなどは全果実を摘果する。
とにかく早く
多少やり残しがあっても仕上げ摘果時に処理できるので、とにかく早く進める。
   
  ◆手かはさみか?
  摘花やがく立ち前は手で行う(指先がよごれます)。がく立ち後は得意な方で行う方が効率的である。はさみで行う場合「ふじ」や「シナノレッド」は果柄が収穫期まで残るので、一輪摘果の際は根本まで短く切る。摘果ばさみの切れ味も作業効率に影響するので、摘果前に十分手入れをする。
   
  ◆どの園を優先するか
  園地により花芽着生は異なっている。樹勢が弱っている園地などでは花数がかなり多く、小玉となりやすい。このような園地を優先する。
   
  ◆仕上げ摘果のやり方
  1頂芽の基準は、健全葉15枚前後とする。はじめに枝単位で頂芽数(葉枚数)と着果数を数えて、感覚的にどの程度のボリュームとなるか確認しておくとよい。
摘果の程度は、樹勢によっても調整することが必要である。樹勢の強い木は多めに、少ない木は少なめに着果させる。またわい性台木樹は、マル葉を用いた普通樹に比べて、着果負担が大きいと「ふじ」では隔年結果、「つがる」のような樹勢の低下しやすい品種では、極端に樹勢が低下しやすいので、着果過多にならないように注意する。
また普通樹では、1樹内でも樹勢の強い枝と弱い枝で着果程度を変える必要がある。
日当たりの良い樹冠外部と日当たりの悪い樹冠内部とでは、葉の同化能力に差があるので着果量を加減する。樹冠外部はやや多めに、樹冠内部はやや少なめとする。
過剰摘果で果実数が少なくなりすぎると、ビターピットなどの生理生涯が発生したり、枝が徒長したりして樹体生育に影響を及ぼしてしまう。凍霜害などで果実に大きな被害が発生した場合であっても、極端に着果量を減らさないようにして樹勢を制御する。
   
 
着果程度 品種
3〜4頂芽に1果 シナノスイート つがる さんさ 紅玉
4頂芽に1果 秋映 シナノゴール
4〜5頂芽に1果 ふじ 王林 千秋 陽光